道場訓     吉川英治作

 

一、 吾々は心身を練磨し確固不抜の心技を極めること

 

私達が空手を修行する目的は、自分自身の体と心を鍛えることにあり真剣に稽古に打ちこむことで、どんなことにも動じない、不動心、強い意志といったものを習得していかなければなりません。

 

 

 

一、 吾々は武の真髄を極め、機に発し感に敏なること

 

武道としての空手の道を徹底的に追求していくことで、私達はどんな状況でも臨機応変に対処する力、相手の心を理解し思いやりや優しさ、そしてどんなことにも素直に感動できる心を身に付けなければなりません。

 

 

 

一、 吾々は質実剛健を以て、克己の精神を涵養すること

 

私達は、決して自分を飾ることなく、真面目で素直に空手の修業にうちこまなくてはなりません。そしてそれにより自分自身に打ち勝つ、強い心を養っていくことを心がけましょう。

 

 

 

一、 吾々は礼節を重んじ、長上を敬し粗暴の振舞を慎むこと

 

私達は武道を学ぶことで、しっかりとした礼儀を見につけなければなりません。目上の人を敬う心を養い、空手をたしなんでいるからといって、決して人前で空手の力を誇示してはいけません。

 

 

 

一、吾々は神仏を尊び、謙譲の美徳を忘れざること

 

私達は、人間の力が及ばない自然や宇宙の摂理を重んじなければなりません。と同時に神や仏を敬う心も忘れてはなりません。そう心がけることで、相手のことを大切にし、自分を謙遜する態度が身につくのです。

 

 

 

一、吾々は知性と体力とを向上させ、事に臨んで過たざること

 

空手の修業は、ただ肉体を鍛えさえすればいいというものではなく、知性と体力を共に向上させていかなければなりません。それにより、どんな状況でも焦らず、冷静に対処することができるようになるのです。

 

 

 

一、吾々は生涯の修業を空手の道に通じ、極真の道を全うすること

 

武道としての空手の修業は一生かけて追い求めるものです。一生を通じて極意に一歩でも近づこうとする姿勢、それが極真空手の本義なのです。